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シンガポール初の「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」、国立大構内に登場

2019年4月3日 - limeimei2

 シンガポール国立大学のキャンパスにこのほど、エネルギーの収支をゼロにした「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」が完成した。同国でZEBが新築された初の例となった。ビルは1月からデザイン環境学部の校舎として使われている。日よけのために張り出した屋根を、1200枚の太陽光パネルが覆う。ラム学部長によれば年間発電量は約500メガワットと、校舎内で消費される電力をわずかに上回る。余った分は大学全体の電力網に入り、同ビルのバックアップ電源にもなる。世界のZEBは2017年の時点で、業務用ビル500棟、住宅2000戸にとどまっていたとされる。世界の温室効果ガスのうち、建物から排出される分は全体の4割近くを占めるとされる。地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の目標を実現するには、再生エネルギーをもっと増やす必要があると指摘されている。米国とカナダのZEBの数は2010年から700%の伸びを示すなど、一部では進歩もみられる。同大学は同時に、電力需要を4~6割減らす運動も展開しているという。職員は学生にはどうしても必要な時以外エアコンをつけず、天井のファンを使う、ドアや窓を開けるなどしてしのぐよう呼び掛けている。ラム氏によれば、キャンパスにZEBを建設する構想は10年前に提案されたものの、コストを理由に却下された。しかし学内の研究者らが設計案を練り続け、16年には着工にこぎ着けていた。完成したビルの評判は上々だという。ラム氏は「メッセージが広がっている」と強調した。